2011年07月01日 20:00

IF THIS IS LOVE / YUKALI
1. Good Love
2. If This is love
3. Last Friend ft.CIMBA
4. Ooh...
5. Glory Days ft.meajyu
6. Promise(Another ver.)
女流シンガーソングライター:YUKALI初のソロ・アルバム作品。
主にクラブ・シーンで経験を積んできた彼女だけに、歌唱力については既に多方面から認知され、支持も得ている。それにより、個人的に本作の是非は「彼女のトータル・プロダュースが如何に機能しているか」にほぼ懸かっていたわけだが、そこはさすがの叩き上げ。予想の一歩先を行くバラエティ豊かなコンダクトで、終始ソツなく立ち回ってくれた。
作風と精度には、彼女自身も愛聴しているという洋楽方面からのインスパイアが強く見て取れる。その最たる例が、若手No.1プロデューサーとして躍進を続けているT-SKとのタッグ作④『Ooh...』だ。淫靡さを惜しげもなく表現したリリックと、蜃気楼のように揺らめくレイド・バック感強いトラックが巧妙なシンクロナイズを果たし、本場の官能系R&Bシンガー顔負けのダイレクトな世界観を誇っている。さすがに明け透け過ぎな気がしなくもないが、”これまで吸収してきたものを出来る限り具現化したい”とする彼女の信念が、楽曲の奥底から今にも吹き上がってきそうなほどの徹底ぶりで、そう容易く侮れる仕上がりではない。
彼女のヴァイブスをとくと堪能するなら、完全自作自演によるOPチューン①『Good Love』も自信を持って推奨。彩りを極力削ぎ落としたシンプルなプロダクトだが、それ故に彼女の才媛ぶりを今一度丁寧に推し量れる1曲のように思う。特に、曲中を色っぽく盛り立てるボーカリゼーションには、シーンを切り拓かんとするタフな踏ん張りが見え隠れ。そう、この曲は彼女が未だ発展途上に在ることを色鮮やかにアピールした代物なのだ。未知数なポテンシャルをアルバム全体で顕示していくという意味でも、この楽曲を作品の冒頭に据えたのはまさしく英断と言えよう。
このように、自ら歩んできた音楽鑑賞史の轍を、楽曲を紡ぐ形で再度踏みしめてみせたYUKALIだが、一方で、CIMBAを迎えたラブ・ソング③『Last Friend』や、兼ねてから名曲と謳われてきた②『If This is love』といった王道感重視のミディアム・スローが軒並み高品質な点にも着目したい。日本のマーケットの潮流を捉え、地に足着いた構成を広げたそれらでは、メロディー面を中心に直向きさが強調されている分、ある意味”素のYUKALI”が体感出来るように思う。また、それらは見事、希望的ベクトルだけに囚われない彼女の寛容たる音楽性の裏付けにも直結し、全6曲という比較的小規模な本作に、抜群の均整をもたらすこととなった。
本作から溢れ返すポリシーを汲み取る限り、CDデビューに差し当たった”不安”という名の大きなハードルを、彼女は無事、乗り越えたに違いない。己のスタイルを確立するにはまだ時間を要するであろうが、今後も自由な発想を糧に、堅実に音楽と対峙してくれることを願っている。R&Bを味方に付けた歌姫:YUKALI。彼女の音楽行路は、まだ始まったばかりだ。

★★★★★★★★☆☆
◆Offical Blog⇒http://ameblo.jp/yukali/

彼女のヴァイブスをとくと堪能するなら、完全自作自演によるOPチューン①『Good Love』も自信を持って推奨。彩りを極力削ぎ落としたシンプルなプロダクトだが、それ故に彼女の才媛ぶりを今一度丁寧に推し量れる1曲のように思う。特に、曲中を色っぽく盛り立てるボーカリゼーションには、シーンを切り拓かんとするタフな踏ん張りが見え隠れ。そう、この曲は彼女が未だ発展途上に在ることを色鮮やかにアピールした代物なのだ。未知数なポテンシャルをアルバム全体で顕示していくという意味でも、この楽曲を作品の冒頭に据えたのはまさしく英断と言えよう。
このように、自ら歩んできた音楽鑑賞史の轍を、楽曲を紡ぐ形で再度踏みしめてみせたYUKALIだが、一方で、CIMBAを迎えたラブ・ソング③『Last Friend』や、兼ねてから名曲と謳われてきた②『If This is love』といった王道感重視のミディアム・スローが軒並み高品質な点にも着目したい。日本のマーケットの潮流を捉え、地に足着いた構成を広げたそれらでは、メロディー面を中心に直向きさが強調されている分、ある意味”素のYUKALI”が体感出来るように思う。また、それらは見事、希望的ベクトルだけに囚われない彼女の寛容たる音楽性の裏付けにも直結し、全6曲という比較的小規模な本作に、抜群の均整をもたらすこととなった。
本作から溢れ返すポリシーを汲み取る限り、CDデビューに差し当たった”不安”という名の大きなハードルを、彼女は無事、乗り越えたに違いない。己のスタイルを確立するにはまだ時間を要するであろうが、今後も自由な発想を糧に、堅実に音楽と対峙してくれることを願っている。R&Bを味方に付けた歌姫:YUKALI。彼女の音楽行路は、まだ始まったばかりだ。

★★★★★★★★☆☆
◆Offical Blog⇒http://ameblo.jp/yukali/
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- YUKALI 『My Love』
- YUKALI 『IF THIS IS LOVE』
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コメント
56 | URL | -
No title
Naoさんのwit'出身は、スルーできない存在。
個性派と言うよりは、優等生と言った印象です。
故に中毒性には、少し欠けるものの
抵抗ゼロで、心地よい安定を感じる作品でした。
ビジュアルが、これまた武器の一つですよねww美しいww
そう言えば、Tiny Voiceに所属してたはずなんですが、
ホームページに名前がなかったなぁ…why?
see ya!
( 2011年07月02日 00:26 [Edit] )
ケンイチ | URL | -
No title
>>56SKさん
おっしゃるとおりだと思います。
歌唱においてはずば抜けた安定感を誇るので、あとは曲調次第でもっと才能が広がると思います。
Tiny Voiceですが、彼女は既に退社したようです。
アーティストを志しての思い切った行動のようですが、結果的にそれが功を奏したようですね。
( 2011年07月05日 06:19 [Edit] )
ぶる | URL | -
No title
待ちに待ったYUKALI嬢の作品。ようやく聴くことができました。
予想通りというか、バラードの2曲がやはり秀逸ですね。
特にCIMBAとの曲はデュエット物として久々に痺れました。
時にはこういうストレートかつ壮大な作品もいいですねえ。
(サビのとこの「↑さいっしょの~」の歌い方がツボww)
これからの活躍がほんと楽しみです!!
( 2011年07月09日 12:31 [Edit] )
ケンイチ | URL | -
No title
>>ぶる~さん
『Last Friend』、俺も大好きです。
ストレートだからこそ彼女のR&B味がよく伝わるというか。。
ちなみに俺は、サビの「嘘はつけないくら~ぁ~ぃ」の部分がお気に入りです♪w
( 2011年07月11日 00:33 [Edit] )
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