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安室奈美恵 『Sit! Stay! Wait! Down! / Love Story』:シングルレビュー特別篇

2011年12月08日 23:00


安室奈美恵 『Sit! Stay! Wait! Down! / Love Story』
今年7月から行なってきたツアー『namie amuro LIVE STYLE 2011』も、残すところ横浜アリーナで27日に開催される振替え公演のみとなった、日本が誇るポップ・アイコン:安室奈美恵。全力でパフォーマンスを行なうツアーは毎回大盛況で、来るファイナル公演にも万人の期待が懸かる彼女から、新たなシングル作品『Sit! Stay! Wait! Down! / Love Story』が遂に到着。今年2枚目のシングルとなる本作は、現在放送中の月9ドラマ『私が恋愛できない理由』の主題歌&挿入歌として使用されている楽曲をメインに、ツアーでも披露され話題を呼んでいた『HIGHER』や、先日自身のFacebookで無料ダウンロードをスタートさせた『arigatou (thank the world for LOVE… gift song 2011)』などの新曲も収めた、2011年の締めくくりに相応しい豪華仕様となっています。多忙を極めるスケジュールの中、ライブと同様に妥協を許さず作り上げられたこの4曲は、作品を重ねるごとにネクスト・レベルを呼び起こす彼女らしい絶対無二のオリジナリティが渦巻いており、毎曲がクライマックス同然の状態。異なるタイプを揃えていながら、どこを取っても一級品の”安室奈美恵”がしかと浮き彫りになる独特の構造にも、毎度のことながら惚れ惚れし過ぎて卒倒しそうです。


1. Sit! Stay! Wait! Down!
安室奈美恵の立役者として今や説明不要の存在となったT.Kura/michico夫妻が、アルバム『PAST < FUTURE』以来じつに2年ぶりに登板した風変わりなダンス・ナンバー。愛しの彼を犬に見立てたシュールな歌詞と、コロコロと表情を変えるアイデアに溢れた曲調との合致ぶりが今回も抜群で、夫妻の常套手段である意図的な”外し”が遺憾なく作用した快作だと思います。このようにユーモラスさ余る楽曲ではありますが、決して滑稽に映りすぎぬよう、バランスを取りながら臨機応変に乗りこなす安室奈美恵がこれまたすこぶる格好良くて、両者の相性の良さと、高い適応能力を崇めずにはいられませんでした。


2. Love Story
主題歌に起用されている月9ドラマ『私が恋愛できない理由』でも絶賛魅力拡散中のこの楽曲は、T-SK、Tesung Kim、双子のクリエイター:Nervoといった目新しい布陣が手がけた、ほろ苦いテイストのラブ・バラード。境遇の違いから離れざるを得なくなった二人の儚い運命を描いており、スターとして日々を生きる安室自身の立ち位置を綿密にリンクさせながら、リアリティ豊かなタッチで表現されています。バラード(踊らない曲)になるとリスナーの賛否両論が甚だしくなる傾向にある安室ですが、前述の歌詞や、それこそ誰かへと宛てるように抑揚豊かな発声で歌い上げる彼女はやはり並外れたオーラを放っており、この楽曲で、歌い手としての威厳をあらためて知らしめたと言ってもよいでしょう。

3. HIGHER
ハウス、グライム、ブレイクビーツなど、クラブ・ミュージック界に轟く音楽ジャンルの要素を大胆に掛け合わせた、ハイブリッド指向のアップ・ナンバー。この奇抜なアプローチは、今年の安室奈美恵に最多の4曲を提供したNao'ymtの手によるもので、ひたすらに前衛的に攻め上げるサウンド構成は、同じく彼が制作した三浦大知の「Black Hole」にも通じる強いインパクトを感じます。また、どこまでも高みを目指さんとする意気盛んな歌詞も、ツアーで全国を横断する安室を意識した作りになっており秀逸。この手の楽曲は、説得力の有無で大きく明暗を分けるところですが、彼にかかればそれも無問題。さすがの手腕です。


4. arigatou (thank the world for LOVE… gift song 2011)
コーセー「エスプリーク」のCMソングとして現在オンエアされている、しなやかな音色を纏った潤沢ミディアム・スロー。サブタイトルからも推し量れるように、この楽曲では世界全体へ向けた普遍的な愛や感謝が気取りなく歌われており、今年発生した東日本大震災に対する復興への祈りも、少なからず具現化したような仕上がりになっています。各プロダクトが素朴であるが故に、彼女の優しく直向きなメッセージの感触も一入。「これが安室奈美恵の持つ力か」と衝撃を受けた度合いも、じつはこの曲が一番大きいものでした。

  


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コメント

  1. Ichhy | URL | -

    今の自分を支える作家陣プラスT-SKさんとか次世代を担うクリエイターを起用したりするのが本当に面白いですよね。以前雑誌のレビューで『彼女ほどクレジットで誰が参加してるのかわくわくする人はいない』って書かれてるのに強く同感しました。今回のもT.Kura & Michico,TIGER,T-SK,海外作家,Nao\\\'ymtと今の彼女を代表する感じでおもしろいです。arigatoがT.kuraなのも意外だし、フリーダウンロードとか海外じゃ当たり前だけど、日本でこんだけ大物がやるのも業界に激震をおこすと思います。本当に驚かされる。

  2. 56 | URL | -

    このCD…シングルにしたら超大作だよね。
    感想は、ほぼ上のIchhy氏に同じくです。
    T-SK氏の起用が一番テンション上がったけどね☆
    安室ちゃんのCD作品としては、個人的にここ近年で一番です!
    後、ジャケットがいいよね~!
    シンプルなんだけど画になっちゃう…存在感ってヤツでしょうか。

  3. ケンイチ | URL | -

    >>Ichhyさん
    彼女は常に刷新を求めてるんでしょうね。
    制作陣こそT.Kura/michico、Nao'ymtという馴染みのメンツで大方固められているものの、やってる音楽や試み自体は毎回新しい方向性だし、だからこそリスナーも、期待するだけの価値を見出せるのだと思います。

    「arigatou」、てっきりサビだけのダウンロードとかかと思いきや、普通にフルバージョンなんですよね。これだけ思い切ったことが行えるのも、彼女の胆力あってこそですね、凄いです。

  4. ケンイチ | URL | -

    >>56さん
    間違いないですね!
    最終的に4曲も新曲収録してるし、もはやミニアルバムとしても機能するんじゃないかってぐらいの勢いです。
    T-SK氏は、まさに抜擢と言ってもいい起用でしたね!
    俺らにとっては本当に馴染み深いプロデューサーですけど、これを機に色んな人に彼の良さを知って頂きたいです。

    ジャケットもいいですね!
    でも犬を登場させるならやはり、「Sit!Stay!Wait!Down!」のPVは作って頂きたかったな~というのが本音です。

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