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CAN'NO 『春夏秋冬』

2012年02月15日 23:36


【アルバムレビュー】
CAN'NO 『春夏秋冬 (2012/2/15)

1. 嘘つきなワタシ
2. ふたり乗り
3. 春夏秋冬
4. Tokyo Lovers
5. オヤスミ

6. コーヒーカップ
7. ALIVE
8. Life Goes On
9. 風になって

柔和でスムーシー。朗らかだけど、ちょっぴり切ない――CAN'NOの歌声には、人間が抱くあらゆる感情をそのまま投影したかのような普遍的な情致と、優しく肌を撫でるようなさり気ない後味が完璧なまでの精度で備わっていると、僕は確信しています。2004年にデビューを果たし、2005年と2006年に相次いで発表したアルバム作品では、オーガニックな色合いを強調したR&B/ソウルを展開し多くの音楽ファンを魅了したCAN'NO。そんな彼女が久しぶりに新作のリリースをアナウンスし、今度は一体どんな音楽を携えてやって来るのかと期待せずにはいられなかったのですが、いざ蓋を開けてみて最初に感じたのは、楽曲ごとに広げられた情景が何と奥床しいことかと。心地よく息づくボーカルスタイルは依然として健在だし、サウンドにおいては、芳醇なアコースティックナンバーから清涼感抜群のダンストラックまで掲げるという縦横無尽ぶり。これだけインパクトのある要素を今回取り揃えているにも関わらず、楽曲ごとに潜在する人間臭い概念が、何よりも真っ先に飛び込んできたんですよね。

その最たる起因となっているであろうファクターこそが、今回「聴き手に伝わることを第一に訴求した」という歌詞。たとえば二曲目に収められている「二人乗り」では恋人が漕ぐ自転車の後ろではしゃぐ愛らしい女子を、「オヤスミ」では先に眠ってしまった彼の寝顔を嬉しそうに眺める様子をそれぞれ周囲の状況を含めて分かり易いタッチで描写しており、冒頭でも述べた普遍的なニュアンスを存分に漂わせています。今回”シティポップス”というコピーが本作に銘打たれているのですが、都会的な趣向を凝らすことと並行して、田舎的なツボもグイグイと押されている感じというか、リリシスト:CAN'NOが持つ素朴かつ垢抜けたセンスを正直に認めざるを得ません。

誰しもに訪れる、日常のふとしたワンシーン。「こんな経験、あなたにもきっとあるでしょう?」と、優しくもちょっぴり刺激的に歌いかけるCAN'NOに、同意にも似た感嘆をひたすら喚起させられてしまったのは言うまでもありません。夢中になると言うよりも、夢中になりたいと思わせてくれる魅力溢れるシンガー、ここに復活です。

【PICK UP REVIEW】


1. 嘘つきなワタシ
日溜まりのように穏やかなサウンドを奏でる都会派一直線のミディアムナンバー。
歌詞を探り、タイトルの「嘘つきなワタシ」の真意に気付いたとき、切なくて思わず胸が疼きました。やりますよ、この恋愛感。


3. 春夏秋冬
「春の日は花となり あなたに笑顔あげたい」と愛する彼への四季折々の気持ちを綴った絶品ラブソング。「嘘つきなワタシ」同様、この楽曲もやけに意味深な歌詞で、ハラハラと舞い散るCAN'NOボイスがそのほろ苦さをさらにリアルなものへと助長。やるせないけど、聴けば聴くほど病み付きになること請け合いです。また、本作のパッケージに封入されているカードからダウンロードできる「春夏秋冬 ~DJ HASEBE REMIX~」では、一転してガラージ風味の爽やかダンスアレンジが施されているので、合わせてチェックしてみてください。

4. Tokyo Lovers
ハウスミュージックを基調としたクールなリズムが躍る、CAN'NO初の試みとも言えるパーティーソング。オートチューンが牽引する独特の浮遊感の中、満遍なく上質なグルーヴを振りまいているあたりさすがのCAN'NOクオリティ。

5. オヤスミ
Isley Brothers発のクラシック「Between The Sheets」へのオマージュも窺わせる”シャレオツ”なレイドバック・チューン。古内東子よろしく身近な事象を飾り気なく綴った歌詞がとかく秀逸で、すやすやと寝息を立てている相手役の彼が、さも自分のことのように微笑ましくなってくるはず。

9. 風になって
本作のラストに控えるは、従来のR&B/ソウル路線をほどよく感じさせる有機的な作りの清涼ナンバー。巧みなファルセットの使い分けと、牧歌的な雰囲気立ちこめる歌詞の相乗効果で、気分はたちまちアウトドア。



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