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m-flo 『SQUARE ONE』

2012年03月19日 19:00


<アルバムレビュー>
m-flo 『SQUARE ONE』 (2012/3/14)

1. □ [sayonara_2012]
2. Perfect Place
3. ALIVE

4. □ [frozen_space_project]
5. Never Needed You
6. Oh Baby

7. □ [square1_scene_1_murder_he_wrote]
8. Don’t Stop Me Now
9. All I Want Is You
10. Acid 02
11. Call Me
12. □ [ok_i_called]
13. Sure Shot Ricky
14. RUN

15. □ [square1_scene_2_don’t_blink]
16. So Mama I’d Love To Catch Up, OK?
17. She’s So (Outta Control)
18. Yesterday

19. □ [to_be_continued...]

m-flo約5年ぶりとなるオリジナル・アルバム『SQUARE ONE』
参加ボーカリストが一切非公開になっていることでも話題の今作は、LISAが在籍していた”TRIPOD ERA”、そして多数のアーティストを迎えた”LOVES ERA”の系譜を含みつつも、まったく新しい”m-flo世紀”を打ち出したエポック・メイキングさ溢れる内容。サウンドとしては、VERBALが昨年ソロで発表したアルバム『VISIONAIR』を彷彿とさせるテクノやハウスといった電子アプローチが主体となっており、ミニマルなトラックの多さも相まって、全体を通してある程度の一貫性を感じさせるものになっています。この点が、今作を評価・審美する上での第一の分かれ目。何せ本編中、ポストDavid Guettaを地でいくような太っといシンセ・サウンドがしきりに飛び交っているわけですから、ダンス・ナンバーからバラードまで多様なジャンルを取り込んでいたかつてのm-floを愛好している人にとっては、違和感以外の何物でもないでしょう。ですがそんな中でも、m-floならではのギミックは面白いぐらい軽妙に発揮されていて、特に”例の消臭坊や”の声をサンプリングした⑬「Sure Shot Ricky」や、「そのまま踊って帰っちゃう系?」とシュールな空耳を開け放つ⑯「So Mama I’d Love To Catch Up, OK?」などの楽曲では、毎度のごとくリスナーをアッと言わせてきたm-floの極みとも言えるスタイリッシュな手法があれよあれよと展開。ギラギラとした現行サウンドばかりに思わず注意してしまいがちですが、寧ろそれもひっくるめた上で、常に進化を恐れず、尚かつ子供のようにヤンチャな遊び心も投入するm-floらしいキャラクターが、この一枚でバッチリと具現化されているように僕は感じます。

そして第二の分かれ目が、冒頭でも話した、ボーカリストの情報提示経路を完全にシャットアウトしている点。一聴しただけで誰が歌っているのか判別出来るものから、ちょっとやそっとじゃ分からない”難問”まで用意されており、歌い手のデータを把握出来ないことから来るストレスに僕自身苦悩する部分もあったのですが、尖ったサウンドやラップの小気味よさに面白みを見出していく内に、今作へのウェートの傾け方がまるで変わったというか、『音楽として一丁前ならそれでいい』という随分と達観とした感想すら抱けるようになったんですよね。この辺も、『純粋に音楽を楽しんで欲しい』とするm-floサイドの狙いがド的中する恰好になっており、いちリスナーとして、まんまとしてやられてしまった次第です。

カタルシスの感じ方は人それぞれであり、今作においてはそれが消化不良に終わってしまう人も多いかもしれませんが、ボーカリスト非公開という気概からも見て取れるとおり、今作にはVERBALと☆Taku Takahasiの絶対的な自信が、音楽という絶大なファクターを通して何層にも渡って敷き詰められています。よって、一度や二度の鑑賞で是非を急ぐなんていうのは極めてナンセンス。キャッチーさもトレンド感も、さらにはクリエイティビティも一新されたm-floワールドは、我々リスナーが対等に深く潜ってかかって初めて、真の偉大さが浮き彫りとなるのです。

<ピックアップレビュー>

1. □ [sayonara_2012]
1stアルバム『Planet Shining』に登場したGlobal Astro Liner号の開発会社が経営破綻したというニュースに始まり、今作『SQUARE ONE』にちなんだショート・ストーリーも挿入されるなど、今回の各インタールードは、いつにも増して古参ファンを唸らせる秀逸な仕上がり。中でも、TRIPOD ERA時代をm-floと共に謳歌した某女性アーティストが参加したこのイントロダクションは、かつて大ヒットを飛ばした”アノ曲”がモチーフとなっており、のっけから最高にテンションが上がりました。

2. Perfect Place
アルバムの序盤を盛り上げる清涼系エレクトロ。洗練されたシンセ・サウンドに一瞬耳新しさを覚えますが、BENNIE Kとの「Taste Your Stuff」にも通じる躍動感があったり、メロディはm-floの手癖が全開だったりと、本来のセンスも負けじと輝きを放っています。ボーカリストは、その声質から2009年にデビューを果たした某R&B系女性アーティストと予想。

8. Don’t Stop Me Now
渇いたパンク・サウンドと☆Taku Takahashiの得意分野であるドラムンベースが勢い良くマッチングを果たした意欲作。最近ではMay J.とのコラボで話題を呼んだ某メロコアバンドの中心人物と思わしきボーカリストが、VERBALとともにパンチを利かせた応酬を繰り広げます。ちなみにこの楽曲は、四月よりスタートする新ドラマ「都市伝説の女」のオープニングテーマにも起用が決定しています。


9. All I Want Is You
程よいポップ・フレーヴァーを纏った、今作の中でも特にm-floらしい作りの近未来型キャッチー・トラック。音の出し入れが激しいメリハリある構成で、歌謡的なマナーにもちゃっかり則ってます。ボーカリストは、m-floとも親交の深いあのグループの女性シンガーか?

13. Sure Shot Ricky
「消臭力」のCMでお馴染みのあの歌を、突飛なアイデアのもとサンプリング。
VERBALのラップまでもが「消臭消臭」と連呼しており、内容のすっからかんぶりが徹底されています。ここまでユーモラスな楽曲は、さすがにm-flo史のどこを探しても見当たらず、とにかく強烈。2012年という時代が、彼らを突き動かしたのかもしれませんね。

16. So Mama I’d Love To Catch Up, OK?
空耳もそこそこに、フリーダムな音世界を見せつけるのがこの曲。
登場するフレーズは先述の英詞(?)のみで、あとはとにかく前衛的なサウンド・アプローチのオンパレード。それでもm-floの音楽として昇華させ、鑑賞モノとしてしっかりと魅了してくれるものだから、もはや脱帽して、頭の毛まで全部抜き取ってやろうかと思いましたよ。恐れ入ります。

18. Yesterday
「やっとこさしっとりとした曲が来たか」と思いきやすぐさまドラムンベースへと姿を変える、一筋縄御免のメロディック・ナンバー。ボーカリストには様々な憶測が飛び交っていますが、海外アーティストとして日本でも支持層を持つあの新鋭男性シンガーに違いない、うん。






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コメント

  1. 501 | URL | Lis/V8ZU

    お久しぶりです!
    2人のソロを追わずに、CCから5年ぶりに手にとったリスナーさんには
    今作は違和感バリバリでしょうねーLISA時代から比べると尚更…
    個人的には大アリですけど、block.fmの影響もあって、客層は結構入れ替わりそう。それこそ5年も経ってれば本来当然といえば当然ですが。

    てかケンイチさんでもボーカル確信できないんですね!
    失礼ながらちょっと安心 笑
    俺はM-3の頭の毛まで全部抜き取り終わったハゲすら分からなかったので。
    M-18ってこれ誰です…?

  2. ぶる~ | URL | -

    ざっと聴きましたけど、かなりクラブ仕様のアルバムですね。
    この中では「All I Want Is You」が一番気に入りましたけど、
    ボーカルは○reamの方かしらん??

  3. クロヤマ | URL | 4JcWZNxE

    5年ぶりってブランクを感じなせないのは色々と個人での活動が盛んだったからでしょうか
    久しぶりのm-floのアルバムはm-floらしいさ全開ですね
    ちょっと難を言えば5年ぶりのアルバムだから
    少し目新しものが聴きたいと言えば聴きたかったかな…
    とは言え、高水準のクオリティーはさすがと言うしかない

  4. Ichhy | URL | -

    feat.をここまで浸透させた中であえてシークレットを貫き通すのはすごいです。ダウンロードが主流の中でこんなに気になってワクワクしてCD買ったのも久々です。Drum & Bassとエレクトロ、R&Bぽさもあってサウンドはかっこいいですね。でも贅沢をいうとLISA在籍時代のようなトラックも恋しいかも。9. All I Want Is Youは本気で誰かわかんないです。予想はSonyに在籍するイギリス生まれのエレクトロシンガーかと思ってましたが。

  5. ケンイチ | URL | -

    Re: タイトルなし

    >>501さん
    ご無沙汰してます!
    コメントありがとうございます。

    おっしゃるとおり、「COSMICOLOR」から今日までブランクのあった方は特に驚かれる内容になっていると思います。ただ言い替えればVERBALも☆Taku Takahashiも、この5年の間着実にステップアップしているわけで、それが音楽性にある程度投影されていなければそれはそれでおかしい話なんですよね。

    ボーカルの件は本当に悩ましい!w
    何となく「あの人かな?」と思っているアーティストでさえも、確信はあまりつかめていません。18曲目はおそらくM○tt Cabかと思われます。AIやJAY'EDなど、色んなアーティストを想像する中、彼が一番しっくり来たので。

  6. ケンイチ | URL | -

    Re: タイトルなし

    >>ぶる~さん
    ですね~。昨今、某氏がテクノを再びブームへと押し上げた感があるので、
    まさにそういった音楽性に現を抜かしてる人には持ってこいだと思います。

    「All I Want Is You」は、おそらく彼女でしょうね!
    何気にPVも好きだったりします。

  7. ケンイチ | URL | -

    Re: タイトルなし

    >>クロヤマさん

    そうでしょうね!
    その間にもベスト盤やトリビュート盤など色んなm-flo関連作品が発表されていましたし、僕もあれから5年も経っていることにすごく驚きました。

    確かにサウンド的にはあまり目新しいわけではないですよね。
    ただそこで評価が分かれてしまうのが勿体ないほど魅力に溢れた作品でもあるので、
    たくさんの方に聴いて頂きたいと僕自身思っております。

  8. ケンイチ | URL | -

    Re: タイトルなし

    >>Ichhyさん
    コラボレーションブームの先駆けとなったユニットが、まさか今回それらを一切ひた隠しにするなんて、誰が想像出来たでしょう。ブックレットにもクレジットされていないし、これだけシークレットを貫くとは正直思ってもみませんでした。

    サウンドはイマドキのダンス・サウンドが主体ですが、
    やはりドラムンベース系統の曲にはニヤニヤが止まらなくなる僕です。w

    「All I Want Is You」は、僕も一瞬Ichhyさんの挙げていらっしゃる彼女かな、とも思いました。
    そういう意味では、本当にボーカリスト選びから秀逸なんですよね、今作。リスナーを欺いたり混乱させることも視野に入れつつ選んだのかと思うと、俺なんて完全にその術中にハマっちゃってますから。。w

  9. 茂記☆ | URL | -

    All I Want...のコメント見て、えっ? Dr○amかよ!?って思ったけど、Cのほうね(笑)
    最初パッと聴いた時は、伊○由○かス○フ○ニーかと思ったけど、Mさんぽいな! つか、IとCて、同一グループやったん?このサイト、ほんっと勉強になるー(笑)アイスクリーム大好きな俺です!

  10. ケンイチ | URL | -

    Re: タイトルなし

    >>茂記☆さん
    一応、アーティストさんの意図を汲み取りたいがために伏せ字にしているので、色々とややこしくて申し訳ないです汗

    IとCに関しては、全然存じ上げません。。
    てかそんな情報があったのか!と俺がまずびっくりしている件。。笑

  11. 茂記☆ | URL | qghYkA4Y

    三人組のIyseと現二人のCreamって同一メンバーやない?Minamiさん!
    両者ともARTIMAGEやし。
    だから、アイスクリームなんかな?って思った。
    俺の勘違い?

  12. ケンイチ | URL | -

    Re: タイトルなし

    >>茂記☆さん
    あーそういうことですね!
    (すみません、名前の挙がっていたI藤由奈と勘違いを・・)
    それなら間違いないと思います。
    まさにそういった意図のもとで付けられたグループ名でしょうしね。

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