スポンサーサイト

--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

HI-D 『GREAT SECOND』

2012年05月14日 19:47


<アルバムレビュー>
HI-D 『GREAT SECOND』 (2004/9/8)

1. INTRO -rain drop-
2. Guess who's back
3. 夢のキオク
4. Give me some more
5. Without you
6. Floor Banger feat. Q
7. Losing myself
8. so deep (interlude)
9. Deeper
10. SNAKE EYE feat. DELI

11. Tight Rope feat. CRYSTAL MOVEMENT
12. I like dat girl feat. KENTA5RAS from 妄走族
13. GET BACK IN LOVE
14. What kinda man would I be
 今は無きDef Jam Japanレーベル唯一の男性R&BアーティストだったHI-D。
ここ数年はR&Bクルー:SUGAR SHACKの一員として活躍しているほか、HOOD SOUNDに移籍後初めて発表されたアルバム『MY WAY』ではいわゆる”ウェッサイ”のスタイルとの対峙を見せるなど、シーンを司る重鎮として幅広いワークスを展開している彼ですが、それら多岐に渡るキャリアの礎にあたるDef Jam Japan時代の彼は、R&Bとヒップホップの両面を公平に取り扱ったいぶし銀な音楽性が主体で、繊細さを怠らないメロディラインと、ヒップホップ界を代表するメインアクターたちとの気迫溢れる共演が鮮烈な印象を与えていました。当時はHI-DとレーベルメイトだったAIをはじめ、Full Of Harmony、JOYCE、MICHICOなど、楽曲テイスト/服装ともに本場USのメインストリームに大きな影響を受けたとされる”B系R&Bシンガー”がこぞって台頭していたある種の戦国時代。90年代末期に起きたJ-R&Bブーム同様、雨後の筍のごとく世に送り出されたアーティストの中には、任期満了と言わんばかりにフェードアウトを余儀なくされる者も数多く存在していました。そんな半ば殺伐としたシーン情勢の中、HI-Dは独自のセンスを武器に、トレンドだけに終始しない強固な音楽を精力的にアプローチ。実際に今作以降の作風の変遷や、現代においても熱く支持される彼の息の長さを参照してもらえば、彼がリアルなR&Bを目指すのと並行して、如何に”HI-D”らしさを伝えられるかに注力してきたのかがよく分かると思います。

 前置きが長くなりましたが、今作『GREAT SECOND』は時代の寵児として一時代を築いたHI-Dならではの手法がそこかしこに取り入れられていて、今聴いてもすこぶるフレッシュな感触を得られるんです。たとえば、リリック面における並々ならぬこだわり。ラブソング一つにしてもウィットに富んだ言い回しや表現を一貫して繰り出し、和製R&Bにしか出せないしなやかな情緒深さを落とし込んでいます。とりわけ「Without you」「Deeper」は、心情を豊かに映し出したリリックのみならず、メロディ面でも悩ましい色男ぶりをこれでもかと演出した力作。また「Give me some more」に代表されるキザな駆け引きは、後に彼が発足する女性とのコラボレーション・プロジェクト”Special Calling”でも遺憾なく発揮されています。この少し気取った筆致は、今や彼のトレードマークと言っても過言ではないでしょう。

 次にサウンドメイキング。今作には今井了介、ICEDOWN、Shingo.Sといったシーンきっての豪華布陣が参加しており、HI-Dを取り巻くディープな世界観に大きな貢献を果たしています。ほかにも中近東的なシンセラインを「Losing myself」で打ち出したDJ HAZIMEの手腕はさすがのものだし、「SNAKE EYE」でまんまオールドスクールな泥臭いトラックを提供したDJ YASや、秀逸バラード「What kinda man would I be」で透明感溢れるHI-Dの歌声と見事な調和を見せた和田昌哉のプロダクトはどれも特筆。柔軟な個性は、柔軟なバックアップによって磨かれるものなのだと今作でつくづく思い知らされました。

 そして、先にも話した気合十分な客演陣とのセッション。R&Bシンガーにとって、同じブラックミュージックの部類に括られるヒップホップとの手合わせはもはや通過儀礼に匹敵するほどメジャーな出来事ですが、それを決して表向きだけで表現するのではなく、己のヒップホップ精神をも剥き出しにして他者とかち合う点がHI-Dの凄いところ。ラッパーよろしく巧みなソングフロウを吹っかける「I like dat girl」をはじめ、とにかくどの曲も相手方に一切勢い負けしてないんですよね。ヒップホップが強く根差していないと、なかなか出来ない真似だと思います。



 とまあ、気付けばこんなにも長く書き連ねてしまったわけですが。それだけこのアルバムには思い入れもあるし、必然的に書きたいことも多かったのです。ちなみに僕個人が特に愛してやまないのは、「Guess who's back」「GET BACK IN LOVE」の二曲。前者ではあれだけのイカついトラックをシンガーである彼一人で乗りこなしている点に度肝を抜かれ、後者ではオリジナル元である山下達郎に引けを取らない訴求力の高いボーカルに当時大きな感銘を受けました。もちろん、一つのムーヴメントに世間が沸いていた時代による産物という見方も出来るのですが、これだけまっすぐに聴き手を魅了し、尚かつコンセプトにも揺るがぬ筋が通ったアルバムというのは、当人の実力なくしてそう容易くは生まれないのだと、今作を聴く度につくづく実感させられるのです。



*アメブロ版JBS 、鋭意更新中!⇒http://ameblo.jp/jbsken1/
Twitter(JBS_KEN1) mixi JBS Community

ブログパーツ
関連記事
スポンサーサイト


コメント

  1. けろたん | URL | HfMzn2gY

    わーい、このアルバムHI-Dさんを聞いた最初のアルバムです。
    私にとって「Deeper」は、私が聴いてきたこの世の音楽の中で
    一番の曲です〰

  2. 茂記☆ | URL | -

    HI-Dって、のりさんのユニット、あじさいにも参加してたよな?

    あと、EMI MARIAとSEEDAが結婚って、最近知った俺です。
    HI-Dの曲ならMissin Youが好きだな。

  3. ケンイチ | URL | -

    Re: タイトルなし

    >>けろたんさん
    そうなんですね!なら思い入れも相当強いとお見受けします。
    「Deeper」は僕も大好きな曲です。
    このアルバムの中でも切なくてメロウな成分が特に秀でてますよね!

  4. ケンイチ | URL | -

    Re: タイトルなし

    >>茂記☆さん

    > HI-Dって、のりさんのユニット、あじさいにも参加してたよな?
    そうですよーあの頃は確かTV番組にも出演してたんですよね、懐かしい!

    EMI MARIAとSEEDAの結婚は、衝撃的でしたね。
    でもそれと同時に、こんなにも心からおめでとうと言ってあげたくなるカップルもいないなと思いました。
    幸せになって頂きたいですね。

コメントの投稿

(コメント編集・削除に必要)
(管理者にだけ表示を許可する)


最近の記事


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。