スポンサーサイト

--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Tina 『A Song For You』

2012年07月07日 12:00



<アルバムレビュー>
Tina 『A Song For You』 (2012/7/4)

1. Time goes by -I’ll be there-
2. Starting Over
3. Set me free
4. Trouble Over
5. Mother's Day
6. Let's not play the game ~素直になって~
7. マーメイド
8. Be with you

9. Sincerity feat. Anarchy
10. Mr.Pretender
11. Time to say goodbye
12. My Way
13. A Song for You


1999年にデビューを果たし、世紀末のジャパニーズR&Bを盛り上げたTina。
電流のような薄い振動を抑揚豊かに帯びた歌声は、しなやかなテクニックを切り売りするごく一般的な女性シンガーのそれとも、はたまた野太い声で力の限り張り上げるR&Bシンガーの模範のようなアーティストとも明らかに一線を画し、当時のシーンの中でも傑出したインパクトを誇っていた。「I'll be there」「Magic」を筆頭とした初期の名曲がヒットしたのも、楽曲の善し悪しに断を下す際、彼女の感情こもったヴォーカルに決定的な魅力を感じたリスナーが多かったからなのだろうと、今となっては確信すら抱いている。

そんなTinaが、エピックレコードに移籍後初となるアルバム作品『A Song For You』を発表した。フルアルバムでカウントすると、3rdアルバム『Cuore』から何と10年ぶり(待ってました!)。その間、ラッパーSUIKENやMACKA-CHINらと共に結成したユニット:MONTIENとしてCDをリリースするなど活動の幅も広がり、彼女の音楽を耳にする機会自体は決して少ないわけではなかった。しかしながら、このアルバムに存在するTinaは、これまでのどの作品にもなかった重厚な威厳を纏い、ソウルが憑依でもしたかのように、耳新しいエネルギッシュさをおびただしく浴びせてくれる。

Tinaのキャリアを一挙に総括するかのように、R&B、バラード、果てはロックに至るまで、本作には多様なタイプな楽曲が軒を連ねている。にも関わらず、どこから聴いてもTinaの温もりある歌声を一貫した濃度で感じ取れ、音楽に対する彼女のフェアな視線を臨むことが出来る。また、一つ一つの歌詞の情景を摺り合わせるようにして歌い上げるため、人間味溢れるざらついた泥臭さの表現にも何ら事欠かず、息つく間もなく心を掻き乱す。聴けば聴くほどTinaという名の深みにはまっていくこの過程が、以前を凌ぐ極上のカタルシスを生み、たまらなく刺激的なのだ。目の前の事象を瞬時にソウルへと昇華していくTinaの才能は、もはや一種の気質に近いものだろう。でなければ、「マーメイド」の奥行きある艶っぽさにも、「Time to say goodbye」に代表される荒削りで複雑な慕情にだって、きっとそう容易くは感情移入出来なかったに違いない。

ブランクを置いた分、それを撃ち返すほどの目覚ましい深化を伴ってカムバックしてくれたことが何よりも嬉しかったし、ソウルに宛てたTinaの回答が、飛び上がりたくなるほど大胆に見て取れたことで、彼女に全幅の信頼を寄せる自分にとっても大きな収穫となった。あとはこれを聴いた巷のシンガーが皆、圧倒された末に怯んでしまうのではないかと少々危惧しているぐらいである。どうか、ご注意を。

<ピックアップ>

1. Time goes by -I’ll be there-
1999年発表の衝撃のデビュー作「I'll be there」。
同曲で使用されたアルペジオのリフを、10年以上の時を経てセルフ・サンプリングし、新たな船出を象徴する哀愁の序曲へと仕上げた。初出は、2010年に移籍第一弾としたリリースしたシングル「PRIDE」のカップリング。

3. Set me free
このアルバムの門をくぐって以降、彼女が初めて溌剌とヴォーカルを振りかざすのがこの楽曲。
我の強いソウル・グルーヴは活動初期を思わせ、ちょうど「Don't be shy」(2ndアルバム『Orario』収録)の現代復刻版といった印象。

6. Let's not play the game ~素直になって~
Tinaを以前より支える音の立役者:西平彰とDJ WATARAIが、共同でアレンジを担当。
頬を撫でるような柔和なアコースティック・サウンドに、恋い慕う純粋すぎる歌詞。
「Stay for me~忘れてあげない~」「Tears Rain」に次ぐ、Tinaの歴史に刻まれるべき新たなスタンダード・バラードの誕生である。

10. Mr.Pretender
これぞTina!と舌を巻かずにはいられない雄渾のアーバン・アップ。
渇いたギターサウンドに合わせ、Tinaの節回しが刺々しくしなりを効かせる。
歌詞における容赦のないバッシングも必見。

11. Time to say goodbye
Tinaとロックの融合は、実のところ今に始まったことではない。
ロックの方面へと力強く歩み寄るだけでなく、きわめて合理的な手法で自身のソウルネスを注ぎ込んでいるからこそ斬新で、かつ美しいのだ。悲哀と希望の入り混じる歌詞と、それを巧みに掬い上げる歌唱のフュージョンは、本作の中でもとりわけ耳を惹くクライマックス。

12. My Way
牧歌的な曲調と「Everything's gonna be alright!」のフレーズが、まさかTinaとこんなにも仲睦まじくマッチするだなんて、全くもって裏をかかれた思いだ。タイトルの通り、己の道を突き詰める多幸感漂う一曲。トラックメイカーのSWING-OやバックヴォーカルのHanaHなど、裏方勢との足並みもバッチリ。



 JBS in アメブロ 『ANOTHER JBS』 
  Twitter(JBS_KEN1) mixi JBS Community
   
  ブログパーツ
関連記事
スポンサーサイト


コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)


    最近の記事


    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。