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中村舞子 『7→9』

2012年08月22日 19:00

 
<アルバムレビュー>
中村舞子 『7→9』 (2012/8/22)

1. Naked Touch
2. Under Lover
3. Interlude♯1
4. 身も焦がれるほど
5. まだ、そばにいたい
6. Interlude♯2
7. End Roll


 中村舞子、セルフプロデュースによる初のコンセプト・アルバム。始まりから終わりまで、ひと夏を舞台にした恋の顛末が時系列に沿って描写され、時に激しく、時にしなやかに、色彩豊かにドラマが展開していく。物語の焦点はそこからさらに、誰もが抱くであろう夏特有のアクティブな恋愛観や、いち女性としての等身大のスタンスにまでに波及。要はよく出来た恋愛劇であるだけでなく、中村舞子自らのアイデンティティも徹底して表現されているというわけ。だからこそ(実体験かどうかはともかく)リリックにおける恋愛感情の移ろいにも、思わずドキッとするようなリアリティがしっかりと裏打ちされている。

 そして今回は、サウンド面にも幾重に渡って伏線が張られている。その代表例が、心情の起伏に合わせて曲調が変化していくという比較的スタンダードな工夫。だがある意味ここにこそ、中村舞子独自のこだわりが隠されているのだ。たとえば冒頭を飾る「Naked Touch」では、見知らぬ男性との出会い→積極的に誘惑したい→セクシーな印象→90's R&Bといった、ストーリーとサウンドを綿密にリンクさせるだけの説得力に溢れた図式を採用し、くわえて自身の振り幅の拡張も視野に入れることで、90年代の回帰的なアプローチをごく自然な流れで打ち出すという器用な偉業まで達成している。ほかの楽曲をとっても同様で、状況に合わせてダブステップになったりアコースティックになったりと、消化法はじつに様々だ。

 個人的な視点で言わせてもらえば、本作は中村舞子に歌ってもらいたいすべてのバリエーションが集約された、念願の実験作のようにも映る。今年1月のフル作『HEART』を聴いた際も、凝りに凝った仕上がりにそれはもう驚いたものだが、当時とはまた違ったセンセーショナルな着想が本作には息づいているし、何よりも中村舞子の貪欲マインドを手に取るように窺うことが出来て、こちらとしては晴れ晴れとした気持ちでいっぱいである。

1. Naked Touch
前作『HEART』に収録されたミッド「Call Me Woman」の作者であるMANABOONが、その延長線とも言える高級感溢れるR&Bを、本作冒頭でアピール。物怖じをしない肉食系な女性像、そして一目見て恋に落ちていくというノンストップな過程を、あえて往年のレトロな質感を用い、落ち着きを払いながら表現している。

2. Under Lover
大好き(曲が)!ストーリーとしては、衝撃的な「Naked Touch」から一夜明けて、男女ともに少しばかり平静を取り戻した時分だろうか。その「Naked・・・」に続きセクシーな色調のR&Bを提供したのは、為岡そのみとOkaerioの名コンビ。特にヴォーカル・プロデュースも兼任した為岡そのみの手腕が随所で炸裂しており、中村舞子の歌声にもより一層の艶やかさが。

4. 身も焦がれるほど
インタールードを挟むと、物語はハイテンポなダンスナンバーにガラリと変貌。
ハウスやダブステップを効果的に切り替えながら突き進むトラックは瀧澤憲太郎の手によるもので、燃え上がるような恋の絶頂をシリアスに演出。



5. まだ、そばにいたい
本作中もっとも中村舞子らしい曲調であり、彼女にとって一番親しみのあるであろう”切ない”心情が描かれているのがこの曲。翳りの見えだした男女の関係。そしてそれは、SHIKATAが織り上げたメロディや、中村舞子の迫真のヴォーカルを介して、じわじわと心を締め付ける。

7. End Roll
全身全霊をかけたひと夏の恋に別れを告げ、自らの内省と共にすべてを解していくという、まさしくエピローグに相応しいスロウチューン。名匠:春川仁志の配した穏やかなアコースティックギターが、夏の終わりさえも示唆しているようで、後味はどこまでもほろ苦い。その一方で、海辺で流せば絶大なBGM効果をもたらしてくれそうな予感も一入。



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