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Ms.OOJA 『Woman -Love Song Covers-』

2012年11月08日 08:25


<アルバムレビュー>
Ms.OOJA 『WOMAN -Love Song Covers-』 (2012/11/7)

1. ギブス
2. First Love
3. let go
4. 月光
5. やさしいキスをして
6. Raining
7. 雪の華
8. be alive
9. tears
10. この夜を止めてよ
11. Story
12. 会いたい
13. Be... (Stardust Version) (Bonus Track)

現在、空前のカヴァー・ブーム。堅実にオリジナルを踏襲したものから一風変わったものまで、発表される作品内容は各方面によって様々だが、まるで雨後の竹の子のごとく次々と送り出されているが故、ユニークさを分ける境界として、そのアーティストにどれだけ実直なスタンスが備わっているかを念入りに吟味する必要性があるように思う。具体的に言えば選曲だ。すでに完成された楽曲をあらためて歌い直す立場として、アーティストは歌い方やアレンジなどにいつも以上の試行錯誤を重ねているはず。しかし、当人がその楽曲に影響を受けた歴史的背景までもをこちらが紐解く場合は、歌唱やサウンド以上に、オリジナルのイメージを潔く参照するのが一番手っ取り早い。事実どんなに歌が未熟であろうとサウンドが簡素であろうと、選曲次第であれよあれよと心に飛び込んでくるケースも少なくないのだから。

Ms.OOJAが初めてリリースしたこのカヴァー・アルバム。上記の主観に倣って本作を解釈すると、彼女のパーソナルなキャリアが目の覚めるような精度で広がり出す。何でも、学生時代にカラオケでよく歌っていたナンバーを中心にセレクトしたそうで、そのほとんどの楽曲が90年代後半から00年代前半にかけて発表されたもの。ほぼ同じ期間を学生として生きていた立場としては、それこそ心憎いほど往年がフラッシュバックする絶妙な選曲もしばしば見受けられ(「tears」や「be alive」などがそれ)、彼女がかつて歩んだ10代のリアルを想像することも決して難くはない。くわえてMs.OOJAは、以前よりシングルのカップリングなどで定期的にカヴァーを行ってきたという実績や基礎もある。カヴァーが玉石混淆に溢れ返っている昨今では、そうした地道な活動一つ一つこそが作品の説得力を決定付ける判断材料になり得るだろうし、我々リスナーが安心して”新たなアプローチ”に身を委ねられる補強剤のような役割も必ずや果たすと思う。

カヴァーというものはいつの日も慎重に取り扱われるべきだし、僕が本作に少なからずの共感を寄せたことにしても、彼女とたまたま同年代で嗜好も近かったというプライベートな事実なくしては到底実現しなかったものなのかもしれない。でもカヴァーを嗜む上では、そうやって聴き手が本能のままに贔屓目で評価することが本当に重要なのだと、今回あらためて気付かされた。オリジナルからの改変点(歌唱やサウンド)ではなく、普遍性の高い選曲の要素にあえて焦点を当てて話を進めたのもそのためです。どういう作品にしろ、まずは自身の境遇と「作品の背景にあるもの」を直感で照し合わせてみて、もっとも合理的なジャッジを探ってみるべきなのではないでしょうか。でないといざというとき勿体ないと思います、結構。



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コメント

  1. Ichhy | URL | -

    このアルバムってなんか賛否両論ですよね。
    最近、異様にカヴァーアルバムがリリースされているのもその1つかもしれませんが。僕はMs.OOJAのカヴァーは結構好きです。
    カヴァーってオリジナルに比べて繊細なものだとおもう。アレンジを施してその人の世界観に持ち込んだらそれは勿論かっこいい。けど、中途半端にアレンジしたらおかしくもなるし。
    Ms.OOJAは歌声で世界観を出せるアーティストだからものすごいアレンジを施す必要はないと思います。インディーの『会いたい』を聞いたときそう思いました。この人に魅かれるのはなんだろう的な。
    今回のアルバムはアレンジはあまりせず、アコースティスクな感じに仕上げたのは彼女の歌声を前面に聞かせるためだと思います。
    後は彼女が変に世界観を崩したくないという気持ちも強いんだと思います。
    記事にもあった学生時代に聞いた曲だし、思い出も詰まっているだろうから。
    でももう少し面白いアプローチがあってもよかったかなとも思います。
    Ms.OOJA。今回の作品をリリースしたことにより、さらに歌に磨きをかけて来ると思うし今後期待していきたいです。

    長々とすみません。

  2. ケンイチ | URL | -

    Re: タイトルなし

    >>Ichhyさん

    お返事遅れてすみません。
    そうなんですよね。カヴァーアルバムが氾濫しているから、作品の真価を見極めるのが難しくなっているというか。でもおっしゃるとおり、彼女は歌声の世界観がしっかりしているし、思い入れの強い楽曲のセレクトだからかコンセプトも据わっていて、とても愛に溢れたアルバムだと思いました。カヴァーはデリケートなものであるが故、そこにリスナーが意義を見出せるかどうかが本当に重要ですよね。ただ勿論、強引に決着をつけてしまうのは断じて良くないんですけど。

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