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Nao'ymt 『矢的直明 2014 彼岸』

2014年03月28日 18:33



<アルバムレビュー>
Nao'ymt 『矢的直明 2014 彼岸』 (2014/3/19)

1. Wandering
2. Beautiful
3. Scenario
4. Frequency
5. Spring Reminds Me of You

前作をレビューした際、”彼の死生観が如実に表れている”といった主旨の分析をしたのですが、それで言うと本作は、”生”の心理描写に強く執着しているなと。すべての楽曲が明朗かつ活力に溢れたエピソードというわけではないものの、自らの欲求に従い能動する様がまるで誓いを立てるかのように堅く綴られていて、人間の性(さが)というものを痛いほど感じさせる。実際の彼が、負の環境に屈するどころか順風満帆な躍進を続けているのはご存じのとおり。しかし、楽曲に空虚で陰鬱とした世界観のものが多いため、聴き手としてはNao'ymtの持って生まれたキャラクターがあたかもそうでしかないようにいつの間にか決めつけてしまっていたことも否めない。だから彼なりの静穏たる人間味が根差していると言える本作を聴いて、一種の安心感を抱かずにはいられなかった。彼もまた、躓きながらも日々をがむしゃらに生きている人間の一人なのだ、というごく普遍的な事実を悟ることができたから。もちろん、前作に顕著だったしみったれた肖像も、彼を取り巻く一部分であることに間違いはないでしょう。ただもしもこのシリーズが、本当にNao'ymtの実感を包み隠さず投影したポートレイトなのだとしたら、前作の「Sunrise」で垣間見せた繊細な光がそのまま伸び広がったような本作には、単に季節感を強調するだけではない大きな意味が込められているような気がしてなりません。そうやって、彼の感情の機微をあれやこれや推し量るだけでも楽しい全5曲。早く次回作出ないかな。

内容についてもう少し触れておきます。
うららかな春日を思わせる三拍子にまどろむこと必至の「Wandering」、彼が指揮を執るJineのベクトルにも等しい純和風+宗教的トラック「Beautiful」、背中を撫でるようなか細いファルセットとエレクトロびいきのアレンジ、そして中二病患者も大喜びの高尚なリリックに痺れる「Scenario」など、前作から一転してNao'ymt特有のバリエーションが豊かに波打っており、それはまるで、持ち合わせている知性の引き出しを上からすべて開け放ったかのよう。要は前作よりも取っつきやすく、大衆向けです。あまりの心地良さに、初めて彼の音楽をアウトドアのBGMに使おうとさえ思いました。Nao'ymt上級者の称号を誰ともなく授けられたようで、僕自身ちょっと誇らしい気分。



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