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TILL 『艶音探し』

2014年12月09日 21:59



<アルバムレビュー>
TILL 『艶音探し』 (2014/12/3)

1. Jazz Addict Skit
2. Where Is Love?
3. Pure Soul feat. Acharu
4. Get My Dreams

5. Respect
6. Jazz Addict Interlude
7. Let's Get Free feat. Darthreider
8. Overjoyed feat. 鎮座Dopeness
9. Never Enough feat. Ban
10. 恋は盲目

11. Morning

女性シンガーTILLのデビュー盤『EMPTY』がひっそりと日の目を見たのは2011年のこと。かつてのACOやUAらにも通じる内省的な趣向をベースとした同作は、「R&B」と一言で片付けてしまうのをしきりに躊躇わせるほどに深遠で、五感をじわじわと蝕んでいきそうな独特のオーラが立ちこめていました。くわえて、艶めかしいヴォーカルはどこか飄々としていて、世を達観するかのごとく気だるい趣を解放。物怖じを感じさせない大した新人が出てきたものだなと、当時にわかに色めきだったのを覚えています。

そんな早すぎた異端児ことTILLが、このほど久しぶりとなる新作アルバムを発表。「自分なんか大っ嫌い。でも、やっぱり大好き」という触れ込みや、<甘えたいわけじゃないけど甘えがある 強くなりたい(Get My Dreams)>などのセンテンスからも分かるように、本作はアンビバレントな感情の狭間で葛藤する自己愛がテーマ。恋愛、夢、享楽といった日々を彩るドラマに彼女の人生観が赤裸々に放り出され、こちとら他人の日記を盗み見しているかのような生々しい後味をことごとく食らうことに。ただ、それでも聴けば聴くほどに魅力を増していくのは、TILLの推し進める無骨なまでの主張が、自分の奥底に潜在するドス黒い欲求と少なからず共鳴し合っているからだと確信しています。すこぶる不器用で泥臭くもあるけど決して悪くない、この感じ。まったくもって内向きでプライベートな作風にも関わらず、図星を突かれた気分にならざるを得ない、この感じ。理性と隣り合わせで生きる人であればあるほど、彼女が放つ一言一句の生気にハッとさせられること請け合いです。

サウンドや構成にも、聴き手を”懐柔”するための工夫が多く存在。
ジャズやソウル、ヒップホップなどをクラシカルに解釈したサウンドはTILL自身のルーツをも雄弁に伝え、個性豊かなマイメンたちの客演は楽曲の裾野を大きく広げることに貢献。さらにはTILLの本音がオルター・エゴ的な立場からユーモラスに暴かれるスキット(短編)の導入によって、物語は重すぎず軽すぎずのテンポを巧妙に保ちながら進行していきます。楽曲単位で言えば、Acharuとスペイシーな歌合戦を繰り広げる「Pure Soul」、TILLと鎮座DOPENESSの屈託ないフロウが小気味よく宙を泳ぐ「Overjoyed」、エロチシズムを示唆するプリミティブなミドル「Never Enough」あたりが曲調/切り口ともに秀逸。さすがは『EMPTY』で経験値を積んだとあって、メロウな側面のアピールには何ら事欠きません。

「もっと自由になりたいんでしょ?」と手招きをせんばかりに広がる、愚直でファンシーな音世界。ぐっと大人っぽく、そしてポップにも移ろいを見せた分、TILLがあらゆる人々の心を切り開くのも時間の問題かもしれません。さあ、素晴らしきエゴの世界へ、一緒にトリップしましょ。





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