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Nao'ymt 『矢的直明 2014 大晦日』

2015年01月14日 19:36

 

<アルバムレビュー>
Nao'ymt 『矢的直明 2014 大晦日』 (2014/12/31)

<ディスク1>
1. Complicated
2. Cold
3. All Disappear
4. Sunrise

5. One Day We Will Be Together
6. Wandering
7. Beautiful
8. Scenario
9. Frequency
10. Spring Reminds Me of You

<ディスク2>
1. Fireflies
2. 14.428
3. Someday I Will Die
4. Udumbara

5. August Rain
6. Hourglass
7. Irreplaceable
8. Paper World
9. Monster

10. Reminiscence
11. One Day We Will Be Together Again

一昨年の12月から計4回に渡って発表された、Nao'ymtのEPシリーズ。すべての作品に共通しているのは、Nao'ymtがこれまであまり表に出してこなかったプライベートな心情や追憶を、アンビエントを基調とした音色に乗せて慎ましくアウトプットするという作法。それはさしずめ、Nao'ymtと言う名の聖域から差し込む一縷の光のようで、彼がわざわざリスナー側に歩み寄ってくれているような嬉しい感覚を、おこがましくも呼び起こさせたのでした。

そんな高尚たる世界観をより芸術的な見地から楽しめるのが、シリーズ初のCDリリースとなった本作。発売順に数珠つなぎ形式で並べられた歴代の音源にくわえ、ディスク2の最後には唯一の新曲「One Day We Will Be Together Again」が収録されています。プロジェクトの集大成と言っても差し支えない内容ですが、ただの寄せ集めにしておかないのが鬼才の凄いところ。四季折々で訪れる”感情の揺れ”を繊細に落とし込んできた同シリーズなだけに、いざこうして一度に春夏秋冬を前にすると、個々の楽曲に備わる淀みない情景と悲壮感の妙が一段と際立ち、Nao'ymt擁する生の旋律がいかに美しく儚いものであるかを思い知らされます。その奥床しい叙情の連続は、こちらのエネルギーを圧倒的スピードですり減らし、すべてを聴き終わる頃には充足感にも似た倦怠でぐったりしてしまうほど。くわえて、訥々としたニュアンスと現世への執念をない交ぜにしたNao'ymtの歌唱が、抗う余地もなく完全に受け身となった身体をさらに心地良く蝕むのです。シリーズを鑑賞した人がこぞって「死にたくなる」「重苦しい」などと評しているのも、こうした体内作用からくる二次的効果が少なからず影響しているのだと、今となっては断言できます。

作品の趣旨上、各楽曲についての解説は割愛させてもらいますが、シリーズの締めくくりとして日の目を見た「One Day~」が非常に感慨深い仕上がりであることだけはここに記しておきます。Nao'ymtの本領とも言える神々しいスケールのサウンドもさることながら、一年分の回顧録を漫然と、かつシンプルなタッチで手繰り寄せた歌詞の出来が本当に素晴らしい。まるで「ひとまず、言いたいことは以上です」と、聴き手に対して深々とお辞儀をしているかのよう。彼の品の良さと潔さが滲み出ています。



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