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RHYMESTER 『マニフェスト』

2010年02月05日 23:36

マニフェスト(初回限定盤)(DVD付)  

結成20年目に突入した"KING OF STAGE"・RHYMESTERのニューアルバム『マニフェスト』(10.02.03)をレビュー。再始動シングル「ONCE AGAIN」を含む、全14曲収録です。初回限定盤には、その「ONCE AGAIN」に強力な布陣を招いたRemixも収録されています。

1. 午前零時 -Intro
2. ONCE AGAIN
3. H.E.E.L.
4. New Accident
5. 渋谷漂流記
6. Under The Moon
7. 付和Ride On
8. ライカライカ
9. K.U.F.U.
10. ちょうどいい
11. ミスターミステイク
12. Come On!!!!!!!!
13. ラストヴァース
14. ONCE AGAIN Remix feat.DABO,TWIGY,ZEEBRA

はじめに、オリコンデイリーチャート初登場3位おめでとうございます。
彼らのように、切磋琢磨しながら堅実にHIP HOPシーンの階段を上り詰めていったアーティストが、今になってこういう形で世間に評価される(しかも結成20周年目という喜ばしいアニバーサリー付き)のは、リスナーにとっても、この上なく嬉しく名誉な事なんですよね。あらためて敬服致します。

さて、オリジナルアルバムとしては「HEAT ISLAND」以来、実に4年ぶりとなる今回の新作ですが、まず特筆すべきなのはやはり、若手からベテランまで満遍なく揃えられた、気鋭のトラックメーカーたちの健闘ぶり、これに尽きるでしょう。噂には聞いていましたが、まさかこんなに手広く招くとは・・・。特にBLの手がけた2曲の威力がかなりパない!ヘビーかつシンプルな構成で、ライムスの紡ぐリリカルなメッセージをうんと後押ししたリードシングル②『ONCE AGAIN』の時点で悔しいほどアッと言わされたのに、今度はその②とは別機軸の奮起ソング⑪『ミスターミステイク』で、超キャッチーな確信犯的フロア・アプローチですよ!これには参りましたね。 R&Bサイドにも柔軟に立ち回れる彼ならではの利点が、ライムスの強大なるエネルギーと融け合った佳曲だと思います。そのほかDJ WATARAI、DJ大自然、DJ Mitsu the Beatsといった著名DJをはじめ、弱冠20歳の末恐ろしいニュージェネ・Monkey Sqequence. 19も⑧で登板。The Neputunesっぽい掴み所のない奇抜トラックを提供しています。

それではライムス本位の内容で、主な収録曲をご紹介。

③『H.E.E.L.』
良い意味でWATARAIらしさのない渋いギターサウンドが冴え渡るアップチューン。
日和見主義な昨今の音楽シーンへのアンチテーゼともとれる、明け透けな風刺フレーズの数々が痛快でたまりません。そうそう、何事も悪役=HEELがいてこそ張り合いがあるってもんですよね。宇多さんパートの「見て見ぬフリだってそろそろもう限度 いつかこじ開けっぞ あの固く閉じたゲート」のパンチラインが特に素敵。

④『New Accident』
「でっちあげろ で、でっちあげろ」とキャッチーに捏造を呼びかけるコミカル要員。
ネタ使いも秀逸なトラックを、軽妙すぎるライムでサクサクと乗りこなしていく様は、ダテに20年のキャリアを積んでいないな、と心から思わせてくれます。D×宇多の華麗なるエンタメ脳、ここにあり!

⑧『ライカライカ』
前述のMonkey Sqequence. 19がトラックを手がけた無気質チューン。
今にもゲシュタルトが崩壊しそうな「ライカ」の奮発ぶりと、トラックのノリに呼応させた2人のロートーンなフロウに、病み付きになること必至です。ここでも宇多さんが大健闘。予予培ってきた潤沢なセンスが、鋭い切れ味のライムに色濃く現れています。

⑩『ちょうどいい』
ナヨさ満点の脱力系レトロ・トラックに、「ちょうどいいガールズ」による合いの手が挿されたチル路線ナンバー。リリックスが非常に自然体なので、気負いせずにしんみりと聴き浸れちゃいます。かのスーフリ和田さんの名言をパロったフレーズもあったりと、ネタ要素も豊富やしねw「やっぱライムスはこうでなくっちゃ!」と思う方も多いかと思います。

⑫『Come On!!!!!!!!』
間違いなく今作のハイライトといえる、活動再開を高らかに宣言した偉大なる帰還ソング。
挑発的なリリックスと、それらを束ねる由緒あるフロウに、感涙が止まりません。
2人とも本気出し過ぎですよ、マジで。特に宇多さん担当の畳みかけヴァースのクオリティがヤバすぎるw 
ここまで説得力のあるラップ・ミュージックもそうはないはずです。

⑭『ONCE AGAIN Remix feat.DABO,TWIGY,ZEEBRA』
初回限定盤のみに収録されている、J-HIP HOPシーンのパイオニアたちが一堂に会した壮観マイクリレー。内容は、まぁ予想どおりというか、期待を裏切ることない手堅い仕上がりになっているんですが、それよりも今、ライムスが彼らとコラボレーションを交わしたという行為こそに、一番の意義を感じるのは俺だけでしょうか。J-RAPの黎明期から活動してきた同志たちが、この曲で共に同じ場所に立ち、互いに共鳴の念を示している・・・その事実だけで、俺はもうお腹一杯です。

「20年経とうが、活動を休止しようが、彼らは彼らなんだ――」
長きに渡ってシーンを牽引してきた彼らの懐深いHIP HOPへの慈愛と、"古き良きラップミュージック"に留まることない、彼らの先鋭的な眼差しをも、着実に世間へと知らしめた革命的な1枚だと思います。彼らがいつもと変わらず音楽という名のステージに立ち、押韻して言葉を発信するという使命を全うしている限り、日本のHIP HOPシーンはまだまだ安泰なんだろうなと、今作を以て思い知らされました。あえて詳しい言及を避けた部分もありますが、聴き手1人1人が独自の解釈で、独自の咀嚼法で、この1枚と真摯に向き合って頂ければと思います。これぞマスターピース。ライムス万歳!



★★★★★★★★★☆
◆Official⇒http://www.rhymester.jp/
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コメント

  1. そうる2000 | URL | -

    あんまり日本語Hiphop聞かないけど、ライムスターだけは特別なんだよなぁ。14が豪華すぎる!これは買わねば!そしてかなりいい年のはずのDさんのかっこよさに驚愕!あんなおっさんになりたい(もうおっさんだけどw)です。

  2. ケンイチ | URL | -

    >>そうる2000さん
    ライムスも気付けばアラフォーですもんねぇ。

    ただフロウやライミングなんかは昔と、いや下手すれば昔以上にセンセーショナルなクオリティなわけで、そこら辺のプロ根性は見習わざるを得ません!

  3. けいいち | URL | BkiDEZxo

    はじめまして。
    ここ1ヶ月ぐらい毎日読ませていただいてます。
    Rhymesterの大ファンなのでケンイチさんのライムス評が読めて大満足です。
    プロデューサー視点でも曲評論されるケンイチさんですから今回のアルバムは楽しい1枚ですよね。
    巷じゃ賛否両論あるみたいですが宇多さんDさんが今回のトラックでラップするだけでも価値のある作品ですしエモーショナル系の曲に幅が出てて私としては今までで1番好きなアルバムです。

  4. YACK'N | URL | F5nx9/XY

    『渋谷漂流記』、『K.U.F.U.』とMitsu the Beats製の2曲が特にお気に入りです♪(Dさんのダンディズム溢れるRapがカッコイイ!)

    あと『ONCE AGAIN Remix』のジブさんには熱くさせられました!
    キングギドラを世に知らしめた口から出まかせの名ラインから始まり、締めには若手のリリックが飛び出す、、これぞ日本語Rap愛ですね♪

  5. ケンイチ | URL | -

    >>けいいちさん
    はじめまして!
    コメント有り難うございます。
    こんなブログでよろしければ、今後も遊びにきてやってください(・∀・)

    けいいちさんの仰るとおり、プロデューサー/トラックメーカー視点でも、とくと楽しませてもらった1枚でした。HIP HOPって、ある種R&Bよりもトラックが世界観の決め手になると思っているんで、多方面からトラックメーカーを集めた今作のコンセプトには賛同しています。
    おかげでDさんや宇多さんのフロウにも、いつも以上の広がりが出たと思いますし。

    >>宇多さんDさんが今回のトラックでラップするだけでも価値のある作品ですし

    そう、言ってしまえばそこなんですよね!
    兼ねてから内輪でトラック制作して歌ってきた彼らが、他者の刺激を受けて、より一層の輝きを放っている・・・それって、何気に凄い事なんですよね。
    20周年迎えて、まだ前進するかー!?というw 頭が下がりっぱなしです。

  6. ケンイチ | URL | -

    >>YACK'Nさん
    「K.U.F.U」はあのスウィンギーなフロウがたまりませんよね♪

    >>キングギドラを世に知らしめた口から出まかせの名ラインから始まり

    おー俺と同じ所に引っかかった方がいらっしゃるとは、感激です!
    ジブさんって、「Jackin' 4 Beats」で歴代のJ-HIP HOPクラシックのトラックを引用したりとか、とにかくHIP HOPへの愛と造詣に溢れた人格で、キングの名に相応しすぎますよね。
    活動休止というインターバルをとったライムスと、今でもこうして絡んでいるという現実が嬉しすぎます!

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