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安室奈美恵 『Break It / Get Myself Back』:シングルレビュー特別篇

2010年07月30日 19:00

Break It / Get Myself Back【ジャケットA】  Break It / Get Myself Back【ジャケットB】

アルバム「PAST < FUTURE」が、上半期のオリコンアルバムランキングで見事首位を獲得。更にはモナコで行われた祭典「WORLD MUSIC AWARD 2010」にて、欧州でのパフォーマンスを初めて実現させるなど、ますます人気と名声に拍車のかかっているこの人:安室奈美恵のニューシングル『Break It/Get Myself Back』(10.07.28)をレビュー。Nao'ymtプロデュースによる、対照的なテイストを擁した2曲が収録されています。


はじめに申し上げておくのですが、今回のNao氏はさすがにちょっと「やりすぎ」ではないかと。特にリリックには2曲とも力を入れられたご様子で、お得意の窮屈な譜割りをこれでもかと乱用して、独自のカラーをこれでもかと注入されておられるのですが、あまりに語感や押韻を意識しすぎたばかりに、かえって歯切れが悪くなっている印象を受けたのは俺だけでしょうか。勿論、それこそが彼の誇る「魅力」であることは否定しません。5月からスタートしているJineの連続リリースでも、そのアビリティーは遺憾なく発揮され、大健闘を博していますし。ただこの複雑な譜割りを、「PAST < FUTURE」で多様な楽曲をこなし、よりフレキシブルに生まれかわった安室奈美恵の新章に宛がうのは、いささかナンセンスだなと思ったんです。何せ言葉の響きが硬い割にスタイリッシュではない、これが一番致命的。そして肝心の内容も、蓋を開けてみれば彼の自己顕示でしかない語彙のオンパレード(特に「Break It」)で、「安室奈美恵をカッコよく演出する」という最前提であるはずの意図が、非常に分かりづらく曖昧なものになっているように感じました。まぁ兼ねてから、安室×Nao'ymtの楽曲に好き嫌いが激しく生じてしまう俺なので、以上に話したことは、「自身の嗜好に偏向した、いちリスナーによる超独断の意見」として汲んでくれると幸いです。

ではいい加減、楽曲本体のレビューへと移りたいと思います。

まず1曲目『Break It』は、エッジーなサウンド・アプローチに努めた切迫系アップ・ナンバー。
勢いを増しつつある今の安室奈美恵を体現するには、まさに打って付けとも言える曲調ですが、残念ながら、前述の挑発的に構えたリリックが悲しくも空回りしているため、あまりピンとは来ませんでした。良く言えば、クールで斬新な言葉選びだと思うんですが、個人的に今楽曲のフレーズ群は厨二臭が強すぎ(特に「記憶の断片図」がキツい)て、どうしても素直に好きになれません。同系統だと「PLAY」収録の「Top Secret」なんかも、馴染むまでに相当の時間を費やしました。彼<Nao'ymt>の織り成す世界観自体には心底魅力を感じるのですが、そこに彼女<安室奈美恵>が絡むと、大体きまって「ズレ」が生じてしまうんですよね。この歪んだ感性、どうしたものか・・・。

しかしながら、PVはめちゃくちゃカッコイイんですよね。それはもう悔しくなるほど。
特に、これから敵陣に攻め入るかのような、彼女の凛々しく勇壮な表情がカッコ良すぎて、終始ため息漏れまくりです。ダンスの方も、近年の作品の中では最もバキバキ感に長けており、彼女の荒ぶる骨頂を十二分に味わえる分、「Get Myself Back」よりもこちらを推す方が多いのではないでしょうか。


その2曲目『Get Myself Back』ですが、こちらは彼女のボーカルが優雅に線を描く、穏やかな情緒のミディアムナンバー。譜割りの忙しなさが形容しがたい違和感を醸している点こそ1曲目と共通していますが、当の内容では、誰しもが持つ等身大の人間臭さを美麗な筆致で表現。更には情景豊かなトラックと、爽やかに彩られたメロディーも手伝い、聴き始めてほどなくして、ものの見事にハマってしまいました。「踊っていない安室ちゃんは今ひとつ魅力に欠ける」なんて意見もちらほら聞かれますが、こういったしなやかな楽曲でこそ、彼女の備えた稟性がことごとく発揮されるように俺は思うんですよね。昨今重きを置いて展開している、予測不可能な<虚像>も大したものですが、たまにはその大いなる無垢の原点に触れて、<自然体な安室奈美恵>を目一杯噛みしめることも、ファンとしては至極肝要な事項なのだと思います。


テイストのみならず、俺個人の評価も見事に正反対の結果になった、今回のシングル。
正直ここまで明暗を分けるとは思ってもみませんでしたが、彼女の孤高たるエンタメ性を、自分の中でひさびさに更新出来たことは確かなので、何だかんだで感慨無量なのかもしれません。まぁ人それぞれってことで、ね。





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コメント

  1. そうる2000 | URL | -

    全くの同感。Get Myself~は、Baby don't cryみたいな安室の自然体な魅力が出てる良い曲だと思うなぁ。

  2. ケンイチ | URL | -

    >>そうる2000さん
    まったくですね。
    思えばベビドンも、Nao氏プロデュースの割にすごくスムーズに馴染めたんですよw 

  3. マハラ | URL | -

    安室ちゃんの曲ってもともとクオリテイが高いからハードルが高くなるんですよね~ 僕も今回は滑ったなと感じました。
    詰め込んだ感は倉夫妻との差別化を図ろうとしてんだけどそれが仇になってる気がしました。
    「Break It」はどうしても「WILD」に比べてしまいます。あれが100だとしたら今回は70というか...
    最後に余談ですが昨日のMステホントに面白かったです!ぶっちゃけますとめっちゃ萌えた(爆)

  4. ケンイチ | URL | -

    >>マハラさん
    確かに毎回クオリティの高いものを提供しているだけあって、ハードルが高くなるのはもはや必然なんですよね。
    前回の「WILD/Dr.」のように、倉夫妻が片方でも関与していたらまた印象は大きく変わっていたことでしょう。

    Mステ昨日見られなかったんですよ・・。
    てことで後からYoutubeで観たんですけど、「Get Myself Back」パフォの最後のハニカミにやられましたw 可愛すぎる!!

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